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子供の歯科矯正は何年かかる?成長段階別に紹介



子供の歯並びや指しゃぶりなどが気になると、矯正をしようか悩む人もいるのではないでしょうか。


子供の矯正にかかる期間は、成長段階に応じてどこで始めるかによっても異なります。


ここでは、小学生・中学生・高校生以降で矯正を始めた場合の矯正にかかる期間の目安や治療内容、子供のうちに矯正を始めるメリット・デメリットについて解説しています。

子供の歯並びや指しゃぶりなどが気になっており、いずれ矯正しようかと考えている保護者の方は、早めに歯科医師に相談するのがおすすめです。


この記事を参考に、子供の歯科矯正について検討してみてください。


園児・小学生の矯正歯科の治療期間

園児から小学生にかけて行われる歯科矯正の期間は、1年半程度が一般的です。

園児から小学生は、永久歯に生え変わる時期であり、口の中は乳歯と永久歯が混在している状態です。この時期に行われる矯正治療を「一期治療」と呼んでいます。


一期治療について、以下の項目に分けて説明します。


  • 園児・小学生で行われる治療内容

  • 床矯正

  • マウスピース


園児・小学生で行われる治療内容

園児・小学生の時期に行われる治療の目的は、永久歯がまっすぐ生えてくるスペースを確保するためです。

歯の土台となる顎を成長に合わせて矯正することで、永久歯がまっすぐ生えてこれることから、歯並びがきれいに整います。

顎の矯正には、床矯正やマウスピースなどの器具が使われます。それぞれの特徴について、以下を参照ください。

床矯正

マウスピース

特徴

  • ワイヤーとプラスチックでできた取り外しできる装置

  • 顎の骨を広げることで永久歯が生えてくるスペースを確保するために行う治療

  • 永久歯が生えてくる際にまっすぐ生えてこれるように調整するもの

  • 顎の成長を促進させ、筋肉の発達を補助するもの

メリット

  • 取り外し可能

  • 将来的に永久歯の抜歯をせず矯正が可能

  • 口周りの筋肉が鍛えられる

  • 痛みが出にくい

  • 治療後の後戻りが少ない

  • 顔のバランスが整いやすい

デメリット

  • 適応となる場合とならない場合がある

  • 1日の中で装着している時間が短いと治療効果が得られない

  • 床矯正と併用して別の治療が必要な場合もある

  • 1日の中で装着している時間が長い

  • 治療期間が長くなる場合がある

  • 成長段階に応じて作り直す場合がある


床矯正

床矯正の目的は、以下の通りです。


  • 顎の骨を広げることで永久歯が生えてくるスペースを作る

  • 軽微な乳歯の移動


上記の治療を目的とし、装置を付け治療を行います。装置の装着期間は子供の状態に応じて異なりますが、半年〜1年程度が多いです。

具体的に使われている装置の種類について、以下を参照ください。

アクティブプレート

ジャンピングプレート

リップバンパー

使用目的

  • 顎の拡大

  • 軽微な歯並びの移動

  • 奥歯のかみ合わせを高くすることで前歯のかみ合わせを矯正する装置

  • 装置が透明で目立ちにくいものが多い

  • 奥歯を後ろに移動させるために使用される

  • 前歯が早く抜けてしまい、奥歯が前に出てきてしまったときに利用される

  • 舌の圧力で下顎を広げる場合も適応

使用方法

  • 1日18時間以上装着が必要

  • 歯みがきや食事のときははずす

  • 装置の中に拡大するためのネジがあり、家で適宜拡大していく

  • 1日18時間以上装着が必要

  • 歯みがきや食事のときははずす

  • 1日18時間以上の装着が必要

  • 前歯部分にはパッドがきており、前歯には直接触れないように調整されている

  • 歯みがきや食事のときははずす

備考

  • 装着時間が短くなると治療効果が得られないため、時間を守ること

  • この装置と併用して別の治療が必要になる場合がある

  • 装着時間が短くなると治療効果が得られないため、時間を守ること

  • この装置と併用して別の治療が必要になる場合がある

  • 前歯部分のパッドが前歯に当たってしまうと、歯肉を傷つけるおそれがあるため注意する

  • 装着時間が短いと効果が得られにくくなるため、装着時間は確実に守る

床矯正の装置は、装着していなければならない時間が長いため、根気強い治療となります。

1日の装着時間が短いと、治療期間も長くなる可能性が考えられます。




マウスピース

マウスピースは、顎の成長を促し、筋肉を鍛えるために使用されます。床矯正との違いは、歯を動かすかどうかです。


マウスピースは歯を動かすために装着するものではないため、目的が異なります。

治療期間は、一般的に1〜3年と言われており、小学校1年生から始める場合が多いです。


取り外しが可能であり、食事や歯みがきのときは外してもよいため、虫歯や歯周病などの口の中のトラブルは発生しにくいと考えられます。

しかし、マウスピースや子供の状態に応じて1日に装着していなければならない時間が決められているため、守って装着しておきましょう。治療効果が十分得られなくなる可能性があるからです。



中学生の矯正歯科の治療期間

中学生の平均矯正期間は、2〜3年です。この時期は二期治療と呼ばれ、ほとんどの子供が永久歯への生え変わりが終了しており、主に歯並びを整える治療がメインになります。


中学生の矯正期間中にどのような治療が行われるのか、以下の項目について解説します。

  • 中学生で行われる治療内容

  • ワイヤー・ブラケット

  • マウスピース



中学生で行われる治療内容

中学生で行われる治療内容は、大人とほとんど同じ装置や器具が使用されます。

ただし、まだ成長段階であり顎の骨も発達するため、成長を利用して大人と同じ装置を使用していくことが多いです。


具体的に使用される装置である、ワイヤー・ブラケットやマウスピースについて、次に解説します。



ワイヤー・ブラケット

ワイヤー・ブラケットとは、一般的に見るワイヤー矯正のことです。

歯にブラケットというワイヤーを通す装置を付け、歯を動かしたい方向に力を加えるように調整することで、歯並びを矯正します。


ワイヤー・ブラケット矯正には、表側と裏側の2種類あります。

表側矯正

裏側矯正

特徴

  • 一般的に広く使用されている矯正方法

  • ほとんどの歯並び矯正に適用される

  • 歯の裏側にブラケットとワイヤーをかけて行う矯正方法

  • 外見からはほとんど見えない

メリット

  • 装置が目で確認できるためケアがしやすい

  • 歯列矯正の最もメジャーな方法であり、確立された矯正方法で安心

見た目が気にならない

デメリット

表にブラケットやワイヤーが見えるため、見た目が気になる

  • 費用が表側より高額になる可能性がある

  • 装置が舌に当たり、発音しにくい

  • 治療期間が長くなる場合がある

裏側矯正は、正確な位置にブラケットを取り付けるのが難しいため、型どりをしてどこにブラケットを装着するか決めます。歯科医師の技術も重要であり、難易度の高い矯正と言えるでしょう。




マウスピース

マウスピースは、透明なマウスピースを歯に装着し、少しずつ歯並びを矯正していく方法です。

1〜2週間に1度通院し、マウスピースを交換しながら矯正していくため、通院頻度が高いと言えます。


マウスピースの矯正には、以下の特徴があります。

  • 付け外しができる

  • 透明であり目立たない

  • 装着時間を守らないと治療期間が長くなる

  • 歯列の状態によっては適用されない場合がある

マウスピースは少しずつ歯を動かしていくため、奥歯の移動や大幅な歯の移動が必要な場合は、適用されないことがあります。



ワイヤー・ブラケットとマウスピース、どちらを選べばいい?

子供の矯正をする際、ワイヤーかマウスピースどちらを選ぶか迷うこともあるでしょう。

おすすめする人の特徴について、以下を参照ください。

ワイヤー・ブラケット

マウスピース

おすすめな人の特徴

  • マウスピースでは対応できない重度な歯列

  • 長期の治療期間が予想させる

  • 大きな歯の移動が必要

  • しっかり治したい

  • 前歯を中心に軽度の歯列矯正

  • 抜歯せずに矯正したい

  • 目立つ装置をつけたくない

  • 痛い治療はしたくない

  • 金属アレルギーがある

上記の特徴に当てはまるかを参考に、矯正方法を歯科医師と相談して決めましょう。




高校生以降の矯正歯科の治療期間

高校生以降は、顎の成長も落ち着いているため大人と同じ矯正治療が行われ、治療期間は2年程とされています。

治療方法は、ワイヤー矯正・マウスピース矯正が選択できます。


また、親知らずが生えてくる子供もいるため、それを利用した歯列矯正ができるのも高校生以降でできる治療の特徴です。



大人との矯正期間の違い

大人との矯正期間の違いは、以下の通りです。

  • 子供:1年半~3年

  • 大人:半年~3年以上


子供のうちは、顎の成長を利用して歯の移動がスムーズにできるため、治療期間が短い場合が多いです。

一方、大人になってから始める矯正は、子供と比べると代謝が低下していることから歯を動かすのに時間がかかります。

また、矯正した歯が元に戻ろうとする「後戻り」が発生しないように、保定装置を装着する期間もあるため、矯正期間が子供より大人の方が長いと言えます。




子供のうちに矯正しておく4つのメリット

子供のうちから矯正を始めるのには、4つのメリットがあります。

  • 永久歯を抜歯せず矯正できる可能性が高い

  • 咀嚼や発音が改善する

  • 見た目がきれいになり笑顔が増える

  • 虫歯など歯のトラブルが予防できる

大人になってから矯正を始めるよりもメリットが大きい場合があるため、メリットを参照して子供の矯正を検討しましょう。



永久歯を抜歯せず矯正できる可能性が高い

小学生のうちに床矯正をしておくと、顎の成長を促すため、いずれ生えてくる永久歯がまっすぐ生えてこれるスペースを確保できます。


大人になってから矯正を始めると、歯の移動をするために永久歯を抜歯する可能性があります。子供の成長を利用して矯正をしておくことで将来的に永久歯を失わなくて済みます。



咀嚼や発音が改善する

指しゃぶりや舌を前に突き出したり、口の中のどこかに押し付けたりする癖(舌癖)がある場合は、噛む力や発音に影響を及ぼすおそれがあります。


子供のうちに矯正すると、顎の筋肉の発達を促したり、癖を治したりすることで咀嚼や発音が改善します。

歯並びに加えて、舌癖が気になる人には矯正のメリットが大きいです。


見た目がきれいになり笑顔が増える

思春期を迎えると、見た目を気にするようになります。歯並びがコンプレックスになる人も多く、なるべく口を開かないようにしたり、笑顔を見せないようにしたり、性格にも影響を及ぼすでしょう。


子供のうちに矯正をはじめ、歯並びがきれいになることで笑顔が増え、コンプレックスの解消につながります。


虫歯など歯のトラブルが予防できる

歯並びが悪いと、歯ブラシが届かないような隙間ができ、ブラッシングが不十分となることで虫歯や歯周病などの原因になります。


矯正をして、歯並びを整えることで歯みがきしやすく、ブラッシングが行き届きやすくなるため虫歯などのトラブル予防につながります。



子供のうちに矯正歯科の治療をすると起こりやすい2つのデメリット

メリットがある一方で、子供のうちに矯正すると起こりやすい2つのデメリットを紹介します。

  • 治療期間中に虫歯が発生する可能性がある

  • 治療期間が長引き費用や子供の精神面などの負担が大きくなる



治療期間中に虫歯が発生する可能性がある

治療期間は、ワイヤーやマウスピースなどの装置を使用するため歯みがきが行き届かず虫歯が発生する可能性があります。


ワイヤー矯正は取り外しができないため、細かく丁寧なブラッシングが必要になります。マウスピースは付け外しが可能なため、歯みがきの際は外してブラッシングできますが、マウスピースを清潔に保たないと虫歯の原因になります。


以上のことから、治療期間中に虫歯が発生する可能性があるため、歯科医師や衛生士のブラッシング指導を受け、適切な歯みがきを心がけましょう。


治療期間が長引き費用や子供の精神面などの負担が大きくなる

子供の治療期間は、1〜3年としているところが多いですが、中には治療効果が得られず装置の装着期間が延びることもあります。治療期間が延びれば、その分費用がかかること、子供の精神面の負担が大きくなることが考えられます。


矯正はやってみなければ効果がどれほど得られるか分からないため、個人差が大きいです。歯科医師と相談しながら方針を決めましょう。



子供の方が大人よりも矯正期間が短い場合が多い

子供の歯科矯正にかかる期間は、1〜3年としているところが多いです。一期治療から矯正を始めていると、永久歯が生えてくるスペースが確保できるため、歯並びが自然ときれいに整い、二期治療の短縮あるいは一期治療で終了する場合があります。


一方、大人の矯正期間は半年~3年以上と幅があり、歯の状態やどこまで矯正を希望するか(歯全体を整えたいのか、前歯部分だけなのかなど)、歯の移動が大幅に必要になるかなどにより矯正期間が異なります。


いずれにしても、子供のうちに矯正を始めた方が将来的に負担が少なく、歯並びによってコンプレックスや健康上の影響を受けずに済みます。


子供の歯並びや舌癖など気になることがあれば、歯科医師に相談しましょう。



【参考サイトURL】

小学生、中学生、高校生の矯正期間。みんなの平均と注意点


床矯正装置とは|歯科矯正ネット


可撤式装置|各種矯正装置|治療内容のご紹介


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