「子供の矯正歯科の費用の相場がわからない」「費用の内訳はどうなっているの?」など子供の矯正歯科にかかる費用に疑問を持つ人は多くいるでしょう。
子供の歯科矯正は年齢によって一期治療と二期治療があり、始める時期によっても治療の費用相場が変わってきます。
また子供のときに歯科矯正をすると、大人になってからの歯科矯正にくらべて費用がかからずにすむ利点があるのです。
そこで本記事では、子供の矯正歯科にかかる費用の相場と、費用の内訳について詳しく解説していきます。
この記事を読むと、矯正歯科の費用相場や、高額になる理由、支払方法について理解できます。
ぜひ子供の歯科矯正にかかる費用相場が気になる人は参考にしてください。
治療時期別|費用の相場は?
子供の矯正歯科は始める年齢によって2つの時期があり、治療開始時期によって費用の相場は変わります。
一期治療の費用の相場
二期治療の費用の相場
それぞれ治療期別の費用相場について詳しく解説をします。
一期治療の費用の相場
一期治療にかかる費用の相場は10〜50万円で、使用する器具や期間・適応によって費用は変わります。
一期治療は、乳歯から永久歯に生え変わりが始まる5〜6歳ごろに開始するのが理想的でしょう。
開始時期が遅くなると歯の生え変わりが進んでしまうため二期治療の対象となり、費用や治療期間も変わってきます。
顎の骨が成長している時期は歯のスペースが確保しやすく、成長していく力を利用して矯正治療を行うことができます。
一期治療に使う矯正装置には顎の骨の成長を正常に促すための「床矯正装置(拡大床)」「急速拡大装置」「マウスピース型装置」などが用いられます。
矯正治療にかかる期間は1〜3年程度です。
器具の名前 | 費用 | 適応 |
床矯正装置(拡大床) | 10~40万円 | 歯列を整えるために、顎のアーチを広げて歯を並べるスペースを作る |
急速拡大装置 | 10~40万円 | 永久歯がきれいに生えそろうスペースを作るために、歯の土台になる骨を拡大させる |
マウスピース型装置 | 10~50万円 | 上顎前突(出っ歯)、反対咬合(受け口)、開咬症(前歯がかみ合わない)それぞれの症状に適した装置を使用する |
*費用は歯科医院・クリニックによって違いがあります
二期治療の費用の相場
二期治療の治療にかかる費用の相場は20〜100万円で、使用する器具はおもに「ワイヤー装置」と「マウスピース型装置」です。
二期治療は永久歯が生えそろった時期から開始します。
永久歯が生えそろうと顎の成長はピークを迎えるため、大人の歯科矯正とほぼ同じ器具を使います。
二期治療の目的は、歯並びを整えて咬み合わせを改善することです。
永久歯が生えそろったあとの、歯列の細かい乱れを整えることができます。
一期治療から引き続いて矯正治療する場合と、二期治療から矯正治療を始める場合では費用が異なります。
矯正費用が異なる理由は、二期治療から始めると顎の骨の成長がピークを迎えてしまうためです。
そのため一期治療から始めた子供にくらべると、矯正治療の内容が変わり期間が長くなることが多くなります。
| 費用 | 適応 |
表側ワイヤー装置 | 18~100万円 | 奥歯を含む全体矯正 |
裏側ワイヤー装置 | 30~150万円 | 奥歯を含む全体矯正 |
マウスピース型装置 | 10~70万円 | 上下の前歯を中心とした矯正 |
マウスピース型装置 | 50~100万円 | 奥歯を含む全体矯正 |
*費用は歯科医院・クリニックによって違いがあります
費用の相場に差があるのは使用する器具や算定方法が異なるため
費用の相場に差があるのは、治療の開始時期や歯並びや咬み合わせの不具合によって、使用する器具や期間が変わるためです。
一期治療は乳歯から永久歯に生え変わる5〜6歳の時期から始めます。顎の成長を利用して歯の生えるスペースを確保する矯正治療です。
二期治療は永久歯が生えそろってから、歯並びを整えて咬み合わせをよくするために、歯列の細かい乱れを整えるために行う矯正治療のことをいいます。
それぞれが矯正する時期と目的がそれぞれ違うので使用する器具や期間が異なります。
また歯科医院やクリニックによっても使用する器具や期間などの違いがあり、価格設定が異なるため算定が変わるのです。
矯正治療に入る前に歯科医師から使用する器具や期間についての説明を受け、相談をしてみるといいでしょう。
子供の矯正歯科治療は保険適用外となるため高額になる
矯正歯科の治療は保険適用外の自由診療になるため高額になります。
自由診療とは公的な医療保険が適用されない治療のことで、治療費の自己負担金は10割負担です。
医療保険が適用されない場合の自由診療は、治療に使った器具・薬剤・技術のすべてを実費算定で支払いになるため高額になります。
しかし先天性の病気や症状によって歯科矯正が必要な場合は、公的医療保険の適用になることがあります。対象になるかどうかをあらかじめ歯科医師に確認するといいでしょう。
公的な医療保険が適用される疾患については厚生労働省のホームページ 厚生労働省:国民健康保険が適用される症状の種類と医療機関の条件に記載されているので参考にしてください。
子供の歯科矯正は医療費控除が受けられ、所得税が控除されます。
歯科医師より「医療目的の矯正治療である」という証明がもらえれば自費治療でも控除対象になるのです。
医療目的の矯正治療とは「咬み合わせの改善」「子供の成長に悪影響を及ぼす」「発音しにくい」などを指します。
確定申告をして医療費控除を申請し、所得税控除が受けられれば歯科矯正代金の自己負担金を減らすことができます。
子供の矯正歯科は保険適用外のため高額になります。
しかし病気や症状によっては適用になる場合もあるのです。
また医療費控除の確定申告を行えば、所得税の控除が受けられます。
治療に入る前のカウンセリングの時に医療費控除の適応になるかを歯科医師に相談をしてみましょう。
子供の矯正矯正歯科費用の内訳
子供の矯正歯科にかかる費用は3つの時期に分けられます。
治療に入る前にかかる費用
治療中にかかる費用
治療後にかかる費用
それぞれの費用について詳しく解説します。
治療に入る前にかかる費用
矯正治療に入る前には初診相談やカウンセリングを行い、治療に対する希望や気になることなどを歯科医師に相談します。かかる費用は無料〜5,000円です。
歯並びの問題点や矯正治療の流れ、矯正治療にかかる期間や費用について説明します。
その後矯正治療を希望した場合は、精密検査のために顔や口内のレントゲン写真を取り、歯並びや顎の問題点を把握します。かかる費用は、無料〜5万円です。
歯科医院やクリニックによっては矯正治療費に、精密検査の費用が含まれている場合があります。
その場合は、この時点での支払いが無料になります。
治療中にかかる費用
子供の矯正歯科は、一期治療と二期治療があり開始する時期によってかかる費用も異なります。
一期治療にかかる費用相場は約10〜50万円です。
床矯正装置やマウスピース型装置、急速拡大装置などを咬み合わせの状態や歯列の発育に応じて治療を行います。
二期治療にかかる費用相場は約20〜100万円です。
治療方法は大人の歯科矯正と同様の装置を用いて、ワイヤー治療やマウスピース型治療を用いて歯列矯正を行っていきます。
二期治療は一期治療から引き続き行う場合と二期治療から始める場合があり、矯正治療を始める時期によっても、治療中にかかる費用が変わります。
一期治療から引き続きで二期治療を始めると矯正期間が短くすむことがあります。
矯正治療にかかる費用を減らすためにも子供の歯科矯正は一期治療から始めるのがおすすめです。
治療後にかかる費用
歯科矯正が終了した後は、保定装置、リテーナーなどを装着します。かかる費用は無料〜6万円です。
保定装置・リテーナーとは矯正歯科が終了した後に歯並びがあと戻りしないようにする装置で、ワイヤー型とマウスピース型、針金を歯に固定するタイプがあり、半永久的につけておける装置もあります。
歯科医院やクリニックによっては、保定装置・リテーナー代が矯正代金にあらかじめ含まれている場合もあります。その場合はこの時点での支払いは無料です。
子供と大人の歯科矯正にかかる費用の違い
子供の顎の骨が成長期なため矯正がしやすく、大人の矯正に比べると安価ですむことが多いのです。
子供の矯正と大人の矯正について、費用・期間・特徴で比較します。
| 子供の矯正 | 大人の矯正 |
費用 | 一期治療10~50万円
二期治療20~100万円 | 歯の表側に付ける装置 60~100万円
歯の裏側に付ける装置 100~150万円 |
期間 | 永久歯が生えそろう時期から始める1期治療と永久歯が生えそろってから始める2期治療があるため期間は長い | 永久歯が生えそろっているので、1年から2年半かかる |
特徴 | 顎の成長を歯列矯正に利用する 治療に伴う痛みが少ないので身体的負担が抑えられる 費用も大人の治療に比べて安価ですむことが多い | 大人の歯の矯正は顎の骨が子供の骨のように柔らかくなく、ガッチリと固まっているため矯正に時間がかかる 場合によっては、矯正のスペースを確保するため、抜歯や外科手術が必要になる |
*費用は歯科医院・クリニックによって違いがあります
子供の矯正歯科治療費の支払い方法3選
子供の矯正歯科治療費のおすすめの支払方法は3つあります。
デンタルローン払い
クレジットカード払い
金融機関の多目的ローン
それぞれについて詳しく解説します。
また支払方法には、治療費総額制(トータルフィー制)と処置別支払い制の2種類あるので、どちらを選ぶかによって総額が変わります。
トータルフィー制は総額制ともいわれ、治療中から保定期間までに必要なすべての矯正費用を一括で支払う方法です。治療期間が延長しても、追加の装置代や通院費用を払う必要がありません。
処置別支払い制は従来から行われている支払い方法で、矯正装置代・毎月の処置料金などが発生した場合にその都度支払う方法です。トータルフィー制のように事前に多額の矯正代金を一括で準備する必要はありませんが、治療が長引くとトータルフィー制より出費が増えることがあります。
デンタルローン払い
歯科治療の支払いを目的として借り入れができるローンです。
信販会社が一括して歯科医院やクリニックに支払った矯正治療費を、患者さま側は元金と金利を月々支払っていきます。
通常のカードローンより金利が低く設定されているのが特徴です。
未成年の場合は親がローンを申し込みます。
クレジットカード払い
クレジットカードを使った支払いです。
クレジットカードの分割払いの場合、デンタルローンにくらべて金利が高めに設定されています。
クレジットカードを使用している人は、新たなローンを組む必要がないので使いやすいかもしれません。
歯科医院・クリニックによって、使用できるカードが限られている場合があるため、あらかじめ歯科医院やクリニックに確認をしましょう。
金融機関の多目的ローン
多目的ローンとは借り入れを利用した人が、目的に応じてローンを個別に組み立てられる制度です。銀行や信用金庫などの金融機関で取り扱っています。
車の購入や結婚資金、旅行などさまざまな目的でローンを申し込むことができます。
多目的ローンはさまざまな用途に利用が可能なので、矯正治療代金の利用をするのもいいでしょう。
多目的ローンの支払期間や利息は金融機関によって異なるので、利用前に金融機関で確認することが重要です。
子供のうちに矯正歯科治療をすることで費用が抑えられる
子供のうちの歯科矯正は費用が抑えられるためおすすめです。
乳歯から永久歯への生え変わリが始まる5〜6歳で一期治療から始めると、歯科矯正費用が抑えられます。
一期治療から始めると矯正歯科が費用を抑えられる理由は、顎が成長している時期の矯正なのでその力を利用することで、歯のスペースが確保しやすいためです。
引き続き二期治療を行う場合でも、一期治療から始めていると安価ですみます。
大人になってからの矯正治療の場合、歯列を整えるために抜歯や外科的手術を行うことがあり、費用も子供の矯正治療にくらべると高額になります。また顎の骨が成長し固くなるため、矯正に時間がかかります。
子供のうちの矯正治療は、抜歯や外科的手術を行うことがほとんどないので、痛みや体の負担などが少なくすむメリットもあります。
費用が抑えられるだけではなく、体の負担の面からも子供のうちの歯科矯正がおすすめです。
子供のうちの治療は費用が抑えられるといっても、やはり歯科矯正治療の費用は高額です。
矯正治療の方法もさまざまあるので歯科医師と治療に入る前に相談をして、矯正方法や費用に納得したうえで治療を受けましょう。
また支払方法もデンタルローンをはじめ、いろいろとあるので利用を検討するのもいいかもしれません。
【参考サイト】
https://kireilign.com/blog/child_orthodontic/6808 子供の矯正治療費用はいくらかかる
https://dr418.com/price/ 小児矯正に関する期間や費用
https://www.kubokidental.com/2022/06/07/333/ 子供の矯正歯科の費用はどのくらい
https://www.tadanawa-dc.com/medical-act-1/ 自由診療のメリットとデメリット
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